病院の機能
病院の種類や規模によって機能は若干異なるものの、大きく分けると「外来機能」と「入院機能」の2つが主な機能として挙げられます。また、近年では急速に高齢化が進んでいることから「在宅機能」も重要性が高まってきました。その他だと、病気を事前に防ぐ「予防医療」の促進も重要な機能のひとつです。
外来機能
病院に訪れて受付をした後に診察、検査、処置を受け、会計を行うのが外来診療の流れです。夜間や救急の診療、救急搬送による重症患者の治療も外来診療に含まれます。これまで、外来診療については待ち時間の長さが問題視されていましたが、近年は電子カルテや医事システム、画像システムなどのIT化により待ち時間の長さが解消されてきました。待ち時間短縮については、軽度の症状の患者は地域のクリニックへ、専門的な治療を必要とする、あるいは緊急性の高い患者は病院へ、といった患者の住みわけも重要です。
入院機能
入院にいたるまでの流れは大きく3つに分けることができます。外来で診療を受けてそのまま入院が必要と診断された場合、かかりつけ医の紹介があった場合、そして救急外来を受診後に入院治療が必要になった場合の3つです。入院後の流れとしては、まずは患者の身体状態を検査し、その結果をもとに治療計画が作成され、チーム医療を提供していくことになります。出来るだけ早く状態が回復し、元気になって退院してもらうことが目的です。治療をしていく中で医師が退院可能と判断すれば、もろもろの調整を行ったうえで退院日が決定します。
在宅機能
在宅医療とは、患者が病院に行くのではなく患者のもとへ医療スタッフが訪問して医療を提供するシステムです。高齢化が進み病院に来院することが難しい人が増えてきました。それに加え、がん患者などが自宅療養を希望するケースも増えてきたため、在宅医療は以前よりも重要性が高まっている状態です。
予防医療
病院に行くのは体の不調を感じてからというイメージが強いですが、タイミングはそれだけに限りません。自分では不調を感じなくても、検査をしてみると異常がみつかったというケースは多いです。あるいは、検査値が異常でも今まで通りの生活を続けている人もいます。そのため、生活習慣病などの重大な病気にかかる前に生活習慣の改善や薬の服用を促すための役割として設けられているのが予防医療です。いわゆる「健康診断」がもっともイメージしやすいでしょう。健康の維持や再発予防の観点から非常に重要な機能であると言えます。